2014年08月15日

教会の現状 - 教会建築物語

教会の現状

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 さて、募集目標額3500万円から、手持ちの1千万円を引いた2500万円が、これから集めなければならない金額と決めたものの、果たしてこれだけのお金がそう簡単に集まるのでしょうか。
 信徒数30数名、学生など除いて実際に月約献金を納めている信徒は28、9名。ご多分に漏れず、主婦、老人が多く、有職男性信徒は定年退職者を入れても10人前後です。 大した金持ちがいるわけでなく、みんなつつましい生活を送っている人々です。しかし、低給ながらも司祭に給与を払い、教会を維持し、教区納付金を毎月4万円程度納めている自給教会なのです。例の熱血漢氏にいわせると「なんでこんな貧乏な教会から毎月4万円もピンハネせなならんのかいな。もっとも、教会を建てるときには1千万か2千万 ポーンと援助してくれれば別やが・・・」となるのですが、「君なあ、教区の財政も苦しいんやし、まだまだうちより苦しい教会が沢山あるっちゅうこっちゃ。自給出来てるだけでも感謝や。それになあ、もしもやでぇ、教区からポーンと2千万でも送ってくれて教会を建ててもやでぇ、ほんな教会に愛着が湧くか?借金してでも、信徒みんなが汗水流して建ててこそ、自分の教会や思うんちゃうやろか」と、苦労性らしい例のニコニコ氏のフォロー。かたわらで司祭さんがほほ笑みながら耳を傾けています。この教会には、こ ういう自由で、何でも言える家庭的な雰囲気があります。ひょっとして、これは畳み敷きの今の礼拝堂のおかげかもしれません。
 それにしても、2500万円もの大金をわれわれだけの力で生み出すことはとうてい無理です。つつましいながらも、みんな教会のために精一杯頑張っています。月約献金のー人平均金額は、神戸教区内で3本の指に入ると会計委員さんは胸をはります。都会に比べれば平均してかなり低賃金のこの地方を考慮しても誇っていいことかもしれませんが、これもひとえにいつか自分の教会を持ちたいという願いが込められているのです。
 しかし、お年寄りや未信徒をご主人に持つ主婦の信徒のように、これ以上寄付や献金の負担を掛けられない方々も多々います。建築委員会で最初に決めたことは、教会建築が決して信徒の信仰生活や教会生活の負担にならないようにということでした。ですから3500万円という額も、あくまでも目標額であって、精一杯頑張ってもそれ以下であったらその額に合わせた建物にしようと申し合わせました。先に、建物を建てるには資金と設計が両輪のごとく、などと書きましたが、わが教会の場合は何よりも先ず資金の目途をある程度立てなければ本格的な設計に入れないということで、早速資金集めの作業にとりかかりました。 なにぶんにも、最初はみんな初めてのことで何をどうしたらいいのか分からず、ただでさえクリスチャンというものは金儲けも下手なら金集めも下手ときているものですから、集まってワイワイ言っている割には前に進みません。しかしそんなうちにも、時々うれしいニュースがわれわれを勇気づけてくれます。
 今年の1月の信徒総会で教会を建てることを申し合わせたその翌週、なんと30万円の大金をポーンと、しかも匿名で寄付した信徒がいたのです。「30万円を匿名でなんて、泣かせるなあ。僕だったら自分の名前を叫びながら寄付するでぇ」と例の熱血漢氏が嬉しそうにジョークを飛ばしましたが、これには建築準備委員一同感激すると同時に、もうこれで後に引けないぞ、という責任感をひしひしと感じました。
 4月に入って、もうーつうれしいニュースが入りました。呉信愛教会から当教会に100万円の寄付の許可がおりたのです。ご存じのように同教会は昨年立派な教会堂を建て直し、その時教区内外から募ったー枚200円のレンガ献金が予想以上?に集まり、その感謝の証として建築会計収支報告の中で、応援金100万円を教区内で次に礼拝堂を建てる教会に寄付すると計上されていたのです。それを伝え聞いたわれわれは、なりふリ構わず諸手に足まで挙げてお願いしていたところ、かねがね呉出身でもある古本正夫司祭が永年お働きになったテモテ教会のためならと、佐藤司祭様はじめ教会員皆様の温かいご配慮をいただき当教会に寄付していただくことになったのです。それにしても、目標額より多くの資金が集まったとは、何とも羨ましい話ですが、それにもまして驚いたのは、余ったお金をポンとよその教会に寄付するという行為でした。何という大きな心、これぞ愛と言わずして・・・・などと歯の浮くようなことは言いますまい。しかしこれでもう後へは退けなくなりました。前進あるのみです。

( 神のおとずれ・1988年10月号 )

コメントはこちらから(2件)

この記事へのコメント
冒頭の絵は古本純一郎主教が学生時代?に描いた古い教会の礼拝堂です。畳敷きの雰囲気が伝わってくる水彩画ですが、現在も司祭室に飾っています。
話は変わりますが、8月17日(日)夜の9時から朝日テレビ(6ch)で映画「少年H」が放映されます。妹尾河童氏の少年時代、神戸市で洋裁師をしていた熱心なクリスチャン一家の戦時下の生活、特に神戸大空襲のリアルな描写はぜひ見逃さないで欲しい映画です。
Posted by 古本真二郎 at 2014年08月15日 11:57
失礼しました。
映画「少年H」の放映は17日(日)の午後9時からでした。
Posted by 古本真二郎 at 2014年08月16日 05:43

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